環境保護のリーダー都市・Lahtiへ視察に行ってきました。
フィンランドの首都ヘルシンキより北に1h 弱の小さな都市、Lahti市。かつては湖の汚染など環境問題で知られていましたが、その後、積極的な環境保護活動に転換。廃棄物管理や循環型経済、カーボンニュートラルの取り組み、革新的な環境プロジェクト、グリーンインフラの整備など、他のフィンランドの都市と比べて顕著な成果を上げています。ゴミ処理やリサイクルは特に先進的で、市民廃棄物の99%の利用率を誇るほど。今や環境保護のリーダーとして認識されており、2021年には優れた環境成果と強い持続可能性へのコミットメントを示す都市に授与される「欧州グリーン・キャピタル」に選出されました。
視察に行って分かったことは、成果を上げるポイントは海外と繋がり、新しい技術やナレッジを持つパートナーと協働すること。街の規模がコンパクトで、地域全体が協力して支援する姿勢を持っているため、実験的な取組みや新しいアイディアをスピーディーに実施できる、ということです。
そしてこの都市開発において重要な役割を担っているのが、Lahti市が地域の経済成長と産業の多様化を推進するために設立した、地域開発公社「LADEC」。半官半民の開発機関で、企業やスタートアップへの資金調達や新規事業の設立支援などを行い、地域資源を最大限に活用し、地元企業の成長を促進するためのプラットフォームを提供しています。
フィンランドと同じく、オランダにも全ての市に、地域開発公社と言う半官半民の市の開発を行う組織があります。おそらく、ヨーロッパにはこういう組織がどの市にもあるのではないでしょうか?「市」というパブリックな立場だけではなく、民間との連携も積極的に推進できて、かつ国の支援も受けています。
そして、こういう市や自治体は、ほぼ全てサステイナブルを成長戦略のど真ん中に置いています。もちろん、各市の特性にアジャストするような形で。こういった考え方は、これからの街づくりのスタンダードになっていくと思います。
少し前に、日本のある自治体に「サステイナブルにシフトしないと、その自治体が存続できなくなる」というお話をさせていただきましたが、残念ながら、まだピンと来なかった様子でした。世界中がサステナイナブルにシフトしている中、この流れに乗り遅れると、大きな損益となるかもしれません。
もし、街づくりご興味ある自治体の方がいらしたら、ぜひ私たちにお気軽にお尋ねください。
Lahtiにはオリンピック級トレーニングセンターがあり、スポーツ科学と技術の研究・開発をサポートしている。国際的な大会が行われるスキーのジャンプ台や競技場があり、今後これを中心とした地域開発が期待されている。(photo by LADEC)